ステロイド剤　Q&A

Q１

 

友人に「ステロイド外用薬は怖い薬だから使用しないほうがいいよ」と
言われました。・・・本当ですか？

 

A

 

正しく使えば有効な薬です。まずは正確な知識を身につけましょう。

 

まずはじめに怖い薬ではありません。発売されてから５０年上経ちます。もちろん今では作用と副作用共に解明されており、正しく使えば大変有効なお薬です。

 

ステロイド外用薬はよく「諸刃の剣」といわれます。正しく使えば有効ですし、
間違えれば危ないということです。
「包丁」を例にしましょうか。料理する際、野菜を切るのに
「指を切る恐れがあるから包丁は使わない」という人いますか？いませんよね（笑）

 

確かに指を切るおそれはありますが、それは

 

誤った使い方をした時ではないでしょうか？

 

このように怖いから近づかないのではなく、正しく使える知識と方法さえ知っていれば
ステロイド外用薬は有用であり、怖いものではありませんよ。

Q2

 

ステロイド外用薬を塗りましたが、効かないので
やめようかと思っています。

 

A

 

使用する日数、塗る量、塗り方・・使用方法が
正しくないと効果が期待出来ません。

 

効かないとおっしゃる方は以下のような使いかたが多いようです。

 

①強い薬と弱い薬２種類のステロイド外用薬を処方され、弱いほうしか使ってない。

 

②ステロイド外用薬の使用が怖く、２，３日ほど塗ってはやめるを繰り返す。

 

③処方されたステロイド外用薬を薄くすりこむように使用している。

 

 

①はせっかく処方された薬なのにステロイド外用薬は怖いと思い弱い薬を使用し
炎症を抑えきれずに悪化してしまうケースです。

 

②は恐らく一番多いのではないでしょうか？アトピーの皮膚症状は、赤くなったり、傷になってたり、血が出たりと見た目で判断しがちです。
かゆみが、赤み、傷が治ったと自分で判断すると薬を塗るのをやめてしまいます。
アトピーの炎症は皮膚の表面だけではなく、皮膚の下にもあります。中途半端に薬を塗ってやめてしまうと、くすぶっていた皮膚の下の炎症がぶり返してしまいます。

 

③の場合は塗り方ですが、ステロイド外用薬は皮膚の上に広げるだけで吸収されていきますので他の塗り薬と同じようにこすったり、すり込むような塗り方はダメですよ。

Q3

 

ステロイド外用薬にはどのような副作用がありますか？

 

A

 

皮膚が薄くなる、内出血しやすくなる。などの副作用があります。
が診察を受けていればまったく心配ありません。

 

ステロイド外用薬は皮膚から吸収されますので、飲み薬や注射剤に比べたら
ごくわずかです。
また入ったとしても肝臓で代謝するようにできていますので、
正しい量を使用していれば全身的な副作用はまずおこりません。

 

・・・しかし、局所的副作用はあります。
外用薬による局所的副作用は皮膚をみればすぐにわかるものばかりですので定期的に
診察を受けていれば心配ありません。
また、よく皮膚が黒くなるのが副作用によるものだと思われがちですが、
アトピー皮膚炎の特徴で炎症の強い部分に色素沈着が起こったせいです。
皮膚を黒くさせない為にはいち早く炎症を取ることが必要です。
炎症を取り、皮膚の状態が良くなると黒くなっていた皮膚も徐々に黒い色が取れてきます。
ちなみに、ビタミンCが効果あるみたいですよ。

Q4

 

ステロイド外用薬はどのくらいの期間塗り続けたら良いのでしょうか？
やめる場合、自分で判断することはできますか。

 

A

 

基本、医師の指示を守ってください！自分の症状や薬のランクが
わかれば、セルフコントロールも可能です。

 

塗る期間は処方してくれた医師に聞きましょう。１，２回塗ってみてかゆみがなくなったり、
見た目が良くなったからといって、やめてしまうとすぐにぶりかえしてしまいます。
ようするに皮ふ表面しか良くなっていないからです。自己診断せず、
この症状にはこのランクの薬を何日ぐらい、どのような状態になるまで使用するかを
医師に聞き指示通りに塗ることが大切ですよ。

Q5

 

ステロイド外用薬を使い続けると、いつか効かなくなってしまうのでは？

 

A

 

外用薬が効かなくなることはありません。
医師に相談しながら効果を上げる方法を試してみてください。

 

ステロイド外用薬を使用していると、そのうち効かなくなり、より強い薬を使わなければ
効果が出なくなると思いそれが怖い為、症状が悪いのにも関わらず弱い薬しか使わない人が多いと思います。
ステロイド外用薬はランクだけでなく剤形や塗り方によって効果がだいぶ違ってきます。