プロトピック軟膏とは?
1999年から保険適応になったプロトピック軟膏はそれまでに治療が難しかった「赤ら顔」に対して大変効果的な治療薬です。
アトピー性皮膚炎の皮膚は炎症によって皮膚が剥がれ落ちていたりして皮膚バリアーが弱くなっている状態です。なので、細胞に大きな隙間ができてしまうのです。傷ついて大きな隙間ができると、プロトピック軟膏のような分子量の大きい薬を多く吸収することができるので、炎症を抑える効果が期待できます。
逆に皮膚バリアーがしっかりしている皮膚は、細胞同士がきちんとくっついていますし、皮膚の表面に皮脂が分泌されて「皮脂膜」ができていますので分子量の多いプロトピック軟膏は吸収されません。ようするに炎症のある部分は吸収され、炎症の無い健康な皮膚には吸収されにくいのです。
そのため、顔や首の皮膚の薄い部分に塗っても炎症が出ている部分にしか吸収されないので副作用の心配が少なく安心して使えます。
なお、薬の強さはステロイド外用薬のⅢ群の「強い」ランクに相当します